2010.03.16 (Tue)
雪掘り人参
1月、2月、3月と青森は、まだ深い雪に覆われています。そんな雪の中、人参たちは、じっと春を待ちます。雪がとけ始めた3月中旬、掘り取り作業に取りかかります。雪の下の土の中から、人参が顔をのぞかせます。「寒さに耐えてえらかったね。ネズミに喰われないでよかったね。」そんな思いで、一本、一本大切にほりあげます。
雪が多い所は、スコップでよせたり、凍てつくように寒い日は、土が凍っているので掘ることはできません。秋のようにさらさらに乾いた土ではないので、ぬくのも大変ですし、ほりあげた人参には土がいっぱい付いているので落とすのが大変です。こんなたいへんな思いをして、なぜ雪掘り人参をやるのでしょうか。
それは、おいしい雪掘り人参を皆さんに召し上がってもらいたいからです。昨年やってみて、品種が違うのではないかと思うほど甘みが増し、おいしかったです。その味が忘れられず、この人参だったらきっと喜んでいただけると思いました。ちょっと調べたところによると、寒さは、でんぷんを糖に変え、タンパク質をアミノ酸に変えるのだそうです。
しかし、昨年は温暖化で雪が少なく、雪に覆われていなかったところから傷んできて、みるみるうちに腐っていったのです。せっかく実ってくれた人参、寒さに耐えながら春を待っていてくれた人参、こんなにおいしい人参なのに、お届けできない悔しさと人参に対して申し訳なくて、残念でなりませんでした。
今年こそはなんとしても雪掘り人参を成功させようと思いました。雪が積もらなくてもいいように、一畝、一畝ずつ土をかぶせました。地上が猛吹雪でも、土の中、雪の中は以外と暖かく、昔から津軽では行われていた貯蔵方法です。しかし、それは一家族が一冬食べるくらいの量で、畑一枚という大がかりなものではありません。このように昔の知恵に学び秋準備を整え、今をむかえました。
今年の人参も、甘くおいしくできました。割れが多いのは、雨が多かったからでしょう。割れの人参も、今年はジュースにしたり、干し人参にしてみようと思っています。
「百姓は毎年一年生である。」とよく言われます。毎年、毎年天候が違い、同じ年がないからです。去年よくても、今年それでいいとは限りません。こんなにも天候に左右される百姓という仕事ですが、土を見つめ、作物と語り合うことで、一本の人参、一個のりんご、そして一粒のお米がたくさんのことを教えてくれます。自分は前進していると思っていても、実は、立ち止まったり、後退したり、横道にそれたりすることもあるのですが、自然がちゃんと教えてくれます。こうして、自分自身が少しずつ向上することによって、作物も恩返ししてくれます。同じ種を使い、同じ方法で栽培しても、皆違うものができます。それは、作っている人が違うからだと思います。作る人がどんな思いで作ったか、作物は正直に伝えてくれます。まだまだ、未熟な私ですが、思いを込めて作った人参です。どうか、召し上がってください。
雪が多い所は、スコップでよせたり、凍てつくように寒い日は、土が凍っているので掘ることはできません。秋のようにさらさらに乾いた土ではないので、ぬくのも大変ですし、ほりあげた人参には土がいっぱい付いているので落とすのが大変です。こんなたいへんな思いをして、なぜ雪掘り人参をやるのでしょうか。
それは、おいしい雪掘り人参を皆さんに召し上がってもらいたいからです。昨年やってみて、品種が違うのではないかと思うほど甘みが増し、おいしかったです。その味が忘れられず、この人参だったらきっと喜んでいただけると思いました。ちょっと調べたところによると、寒さは、でんぷんを糖に変え、タンパク質をアミノ酸に変えるのだそうです。
しかし、昨年は温暖化で雪が少なく、雪に覆われていなかったところから傷んできて、みるみるうちに腐っていったのです。せっかく実ってくれた人参、寒さに耐えながら春を待っていてくれた人参、こんなにおいしい人参なのに、お届けできない悔しさと人参に対して申し訳なくて、残念でなりませんでした。
今年こそはなんとしても雪掘り人参を成功させようと思いました。雪が積もらなくてもいいように、一畝、一畝ずつ土をかぶせました。地上が猛吹雪でも、土の中、雪の中は以外と暖かく、昔から津軽では行われていた貯蔵方法です。しかし、それは一家族が一冬食べるくらいの量で、畑一枚という大がかりなものではありません。このように昔の知恵に学び秋準備を整え、今をむかえました。
今年の人参も、甘くおいしくできました。割れが多いのは、雨が多かったからでしょう。割れの人参も、今年はジュースにしたり、干し人参にしてみようと思っています。
「百姓は毎年一年生である。」とよく言われます。毎年、毎年天候が違い、同じ年がないからです。去年よくても、今年それでいいとは限りません。こんなにも天候に左右される百姓という仕事ですが、土を見つめ、作物と語り合うことで、一本の人参、一個のりんご、そして一粒のお米がたくさんのことを教えてくれます。自分は前進していると思っていても、実は、立ち止まったり、後退したり、横道にそれたりすることもあるのですが、自然がちゃんと教えてくれます。こうして、自分自身が少しずつ向上することによって、作物も恩返ししてくれます。同じ種を使い、同じ方法で栽培しても、皆違うものができます。それは、作っている人が違うからだと思います。作る人がどんな思いで作ったか、作物は正直に伝えてくれます。まだまだ、未熟な私ですが、思いを込めて作った人参です。どうか、召し上がってください。
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