2012.12.30 (Sun)
みちよノート157
H24.12.20(木)
No,157
「73年生きてきて経験したことのない天候」
早いもので今年も終わりとなります。今年も一年お支えいただき、ありがとうございました。
さて、タイトルは、長年きている人夫さんのいった言葉です。11月は毎日雨でした。記録によると、一日中晴れた日は、3日だったそうです。12月に入ったら大雪で、上旬には根雪になりました。そんな中、人参の収穫、豆の刈り取り、脱穀と休むことなく働いたのですが、天候には勝てず、とうとう小豆の脱穀ができませんでした。春になったら脱穀しようと思い、吹雪の中ひとまとめにし、ビニールをかけました。ネズミの餌になってしまわないことを祈るのみです。大豆と黒豆は、かろうじて脱穀したのですが、水分が多くて乾燥しなければなりません。人知を尽くしたのですが、自然の猛威の前に力尽き果てました。ということで、今回の小豆と黒豆は、昨年のものになります。どうか、ご了承下さい。
17、18日と長芋を掘ったのですが、あまりの寒さに、掘り上げた長芋が凍り、19、20日は、掘れませんでした。このまま寒波が続くようですと、春になってから掘ることになります。葉物も全て、雪の下になってしまいました。畑の片づけもできないまま、年越しです。すごい年でした。
無農薬にこだわる訳
この数ヶ月悩み、苦しみました。私の中で、りんごの無農薬が無理だとわかった時点で、全てが無意味になりました。なぜ、こんなに苦しんでまで無農薬にこだわるのか、自分自身に問うて見ました。
きっかけは、父や母がこのような農業をやっていたからです。りんごの無農薬は非常に難しいと言われています。これに挑戦したいという思いもありました。2、3年前から、特に3.11以来、強く感じるようになったことは、後世により良き環境を残したいという思いです。農業は、作物を育てるということで、環境を守っている反面、農薬や化学肥料を使うことで、土や水を汚染しているとも言われています。私は、百姓ですので、せめて農薬や化学肥料を使わないで農業をしたいと考えました。しかし、これも何かしら、自分の本質をついていないような気がして、内面を深く見つめ直してわかったことがありました。それは、そのような農業が自然の本来の姿だということです。人間も自然の一部です。きれいな土や水、空がなかったら、人間も生きてはいけません。自然の中に農薬や化学肥料は存在しません。森の世界は、季節が移ろう中、ただ循環を繰り返し、堆肥さえ他から持ち込むことはないのです。これが、無農薬にこだわる本当の私の思いだとわかりました。田んぼや畑は、少しずつ見えてきたように思いますが、りんごは、また、一からやり直しです。課題がいくつか見えてきました。まずは、作物をよく観察して、知ること、技術の向上、そして、一番大事なことは内面の成長です。